暦の16日

2023/01/16

1月と7月の16日に、奉公人が暇をもらって家に帰り、または1日を遊び暮らす日。宿下がりの日。藪入りの語義については、藪深い故郷に帰るのだとか、藪林(そうりん)は寺のことだとかの説もあるが、いまだ明確でない。多くの地方では奉公人に限らず、嫁(よめ)・婿(むこ)が里帰りをする日としている。もとは先祖を祭り物忌みをする日であったのが、奉公人の休日と結び付いたのであろう。奄美(あまみ)諸島の徳之島では、1月16日を先祖祭り、先祖正月といい、墓前で酒盛りをする。同様のことが全国的に行われていたかどうかは明らかでないが、先祖を祭る日ではあった。1月のこの日を仏の口明け、仏の年越し、仏の日、後生(ごしょう)始め、真言(しんごん)始めなどとよぶことが全国的にあって、正月に仏事を忌んでいたのが解除される。

 一方、奉公人の休日もこの両日に限らなかったが、閻魔(えんま)様の縁日がこの日で、地獄の釜(かま)の蓋(ふた)もあくというので結び付いたらしい。江戸時代の江戸は商家も多くなり、藪入りが盛んであった。奉公人は主人から新しい着物をつくってもらい、小遣い銭も与えられ、閻魔堂に参ったり芝居小屋をのぞいたりして遊んだ。当日は商店や露店も出てにぎわった。明治以後も藪入りのにぎわいは続き、下町では近年まで引き継がれたが、丁稚(でっち)や女中、また徒弟制度が消滅し、休日が増え日曜休日が定着するにつれ、特別な人出の機会ではなくなった。今では言葉だけが残っています。

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