お徳用

2026/04/03

スーパーマーケツトへ行き、買物カゴを持って店内を歩きまわっていますと、「徳用品」と書かれている値札が目にとまりました。値段が割安で購入者が得をするというのなら「得用品」と書いたらよかろうにと思いながら、得をした気分でその商品を買って帰りました。さて、帰宅してからさっそく辞書を引いてみますと、「得用」と「徳用」の両方の字が出てきましたが、〈割安のことを徳用と書く〉とていねいな註がありました。次に仏教辞典を引いてみると〈すぐれたはたらきをすることを徳用(とくゆう)という。とくようと読んで、使って得になること・利益になることをいう〉とあります。
 そこで、私なりに判断したことをお話しします。売る者は割安に商品を売って善い行い(徳)わした。しかもその商品は双方に利益を与える。これが「得用品」なら、得は損の対語であるから、片方が得すれば片方は損につながりかねない。そういうわけで徳用品なのだ・・・と納得した次第です。売り手と買い手の双方にとって善い(徳を施した)これは仏教の考え方に通じますね。
 道元禅師は愚人謂わくは利佗を先とせば自らが利省れぬべしと、爾には非ざるなり、利行は一法なり、普ねく自佗を利するなりとの言葉を残されました。おろかな人は、〈人に利益を与えることを先にすれば、自分が損をすることになる〉と思いがちだけれども、「利行」とはそんなものではない、自分にも他人にも普ねく利益を与えるのである、ということですね。私たちはお経の徳用(とくゆう)によって安楽を得、さらに自分にも徳用を備えるよう精進しなければならないのです。有徳で応用の才能がある人を徳用の人と申します。
 今までは、どうしたら割安の買物ができるだろうかとばかり考えて買物をしていましたが、今後は売ってくれる店の人にも、買った品物にも、「ありがとう」を言いながらの買物をしたいと考え直した次第です。

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