葬儀事情とは

2021/04/30

 葬儀事業を取り巻く現況をデータについて。出生、死亡数の推移から2040 年が死亡数のピーク、つまりは葬儀数のピークであることや、葬儀業者へ支払う費用の推移について説明された。また、葬儀を行う際に「宗教に関係無いかたちで」行いたいという割合は、世代が若くなるほど多くなる、というインターネット上のアンケート調査結果も報告された。また、イオンが全国展開にてお布施の目安を提示した事例を「AEON ショック」と題して紹介したこともある。背景として寺檀関係の希薄化により葬儀の宗教的意味合いが薄れ、葬儀のサービス化、料金化が国民に違和感なく受け入れられていると指摘。今後は寺院数の大幅減少や檀家寺が葬儀社の傘下になる事態を招く、と述べた。
 現代の葬儀について「日本仏教と葬式」「寺檀関係」「布施」「都市化、経済成長」に関する経緯と問題点を説明。特に都市部の「宗教的浮動層」は「布施が寺を支える財施である」という意識はなく、これに便乗しているのが僧侶派遣のプロである、と述べた。また、遺族の悲嘆を癒すことに無理解な僧侶が実際に存在することも問題点として挙げられた。作家でもある玄侑師は「福島県三春市の自坊では個別的、歴史的観点をふまえて檀信徒の葬儀を行っている。個々の人たちにどれだけ寄り添えるかが葬儀では重要である」と葬儀に関する考えを述べた上で、都市部で行われている「宗教的浮動層」が行う個別的・歴史的な繋がりが何もない葬儀を全国的に展開していく事には賛成できないし、それらが全て同一の「葬儀」として論じられるのも問題である、と述べた。

そういう中で、「布施と寺院のあり方について」「お布施の金額や戒名について、具体的にどう解決して行けばよいか」「お寺のあり方を通して、地域との関係を作るには何が重要か」「後継者をどう育成するべきか、その際何が重要か」「寺院の公益性をどう考えるか」等が寄せられ「菩提寺は選べない、と言うが、最近セカンドオピニオンが流行っているし、セカンド僧侶というのもいいのでは(玄侑師)」等、様々な意見がある。

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