方便こそ真実である

2022/05/11

◇ 譬喩品第三

 「一乗真実」の教えを聞いた舎利弗は、仏弟子のなかで最初に仏意を領解し、仏子であることを信受します。そして、釈尊より華光如来となり、未来に大衆を教化するとして授記を受けます。舎利弗は未来において必ず成仏することの予言と保証をされたのです。これを「二乗作仏」といい、方便品からここまでを「法説周」といいます。『法華経』前半迹門の主要テーマとなります。

舎利弗は十大弟子のなかで、智慧第一と言われるだけに、ただ一人だけ方便品の「二乗作仏」を理解します。最澄作といわれる和歌に、「三つの川 一つの海と なるときは 舎利弗のみぞ まづわたりける」と、「三乗方便」を知り、だれでもが一乗として成仏できると理解できたのは舎利弗だけで、ほかの声聞たちも続いて成仏を得ることを望む心境がうかがわれます。

 そこで、舎利弗は「法説」の教えで、「二乗作仏」を理解できなかった千二百の者のために、再度、「開三顕一」の教えを請います。これに答えたのが「三車火宅」の譬えです。「三車火宅」の譬喩は「三乗方便一乗真実」を解説したものです。また、三界の衆生は生老病死の四苦八苦に悩まされており、その火宅に住むような衆生のために、三世にわたり救済していることを譬えています。釈尊は本品より譬喩をもちいて教えます。

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