髻中の明珠とは・・

2022/07/06

妙法蓮華経安楽行品第十四
 字の如く安らかな心地よい状態をいいます。この行を実践することで安楽を得ることが出来る修行です。まずは菩薩の行とその近づく範囲を確立させて、衆生のためにこの経を説き示すことです。これを身安楽行といいます。第二は「法華経」を説く時に他人の批判をして聴聞者の心に不信感を与えてはいけません。わたしたちはよくお他人さまのよいところを褒めます。さも佳かれと考えておりますが、思ったことと逆の場合もあります。その人と敵対関係にある人が聴いた場合は逆に反感を買うことにもなる訳です。こちらは口安楽行といいます。どちらも出来て安楽行と申します。
 そこで髻(けい)中(ちゆう)明(みよう)珠(しゆ)の譬えが説かれます。転輪聖王(武力でなく仏法によって世界を治める理想の王)は、兵士に対してその手柄に従って城や衣服、財宝などを与えていた。しかし髻(まげ、もとどり)の中にある宝珠だけは、みだりに与えると諸人が驚き怪しむので容易に人に授与しなかった。この物語の転輪聖王とは仏で、兵士たちは弟子、種々の手柄により与えられた宝とは爾(に)前(ぜん)経(きよう)(法華経以前の様々な教え)、髻中の明珠とは法華経であることを表しています。ありがたいことです。

 

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