住職ブログ｜先祖供養、水子供養、墓地、納骨堂をお探しなら宗教法人法典寺【各種祈祷、祈願も承ります】

2023/07/28

「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」とは宮沢賢治の有名な言葉です。『農民芸術概論綱要』の序論にでてきます。３年続いた新型コロナウィルス感染はなんとか治まりつつある今、ようやく以前の普通な生活ができるようになりました。
コロナ禍の折、日本では政府または医療関係者がワクチン接種に関して様々な方策をとりました。当然、お金を持つている国、立場の強い国が有利ですから、西欧社会を中心にワクチン接種が早い段階で済みました。しかし、よくよく考えてみますと、このグローバル化の世の中、完全な鎖国でもしない限り、このウィルスを防ぎきる国などどこにもありません。まさに「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」状況でした。とまれ、時間経過とウィルスの衰え化のおかげで笑顔のみえる生活が戻りました。今こそ全てのものに感謝することが我々人の使命であると思います。
このコロナ禍が、人類全体に鳴らされた警鐘だと捉え、「利他主義」を実践する好機に恵まれたと考えることができたならばと夢想するのですが、現状はより強い「利己主義」の蔓延となってしまっています。
仏さまが示された、私たち人間の心をむしばむ「三毒」、貪りの心、瞋りの心、愚かなる心がそう簡単になくなることはないのでしょうが、何とか最小限に留め、なるべく永く仏さまの気持ちを保てるように精進することが第一です。まずはお題目をお唱えしましょう。