2023/12/01
「お前とおれは一蓮托生だ」などと使い、行動や運命を共にする者同志という意味ですね。現今では、善きにつけ悪しきにつけ、グループをなして物事を協同でやることを指しているようですが、本当の「一蓮托生」の意味を考えてみましょう。
一蓮の「蓮」は蓮華です。蓮華はインドの華の王様であり、但教では仏さまが座られるところを蓮華座といたします。蓮華は泥の中に在って泥に染まらず、泥の中にしっかり根をはって、すばらしくもまた美しい花を咲かせますから、仏さまを象徴するのにピッタリなのです。
仏さまがすべて蓮の台、蓮台にのっておられるとすれば、私たちが死んで成仏すれば、やはり蓮華台にのぼれるはずですね。仏さまの台座を蓮華にしておくばかりでなく、お位牌の台座にも蓮華を型どっているのは、そういうことからでありましょう。
それにしても、本当に死んだら蓮華の台の上にのれるのでしょうか。一蓮托生とは、そういう疑問に対して、「あなたも私も、死んだら同じ蓮華の上に生まれるのだ」という答えなのです。蓮華は極楽浄土の池にあるとされますから、死んだら共に極楽へ行く身だということになるわけです。しかし、いくら運命を共にする者同志だといっても、極楽に行くのでなければ一蓮托生とはゆきません。地獄に蓮は無いそうですよ。
人が死ぬと、「蓮は上品の花を開き、仏は一生の記を授く」と念じますが、本当に極楽の蓮華台上に生まれることができるよう、善いことを重ねながらこの世を過しておきましょう。
蓮は仏の象徴で吉祥の花です。娑婆の泥水に浸かっていても、そこへしっかり根をはって、心は高く上品の花を開いていたいものです。
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