玄関たいせつ

2024/09/27

先日、あるご家庭を訪問したら、ちょうど玄関を改装中でした。玄関は家の顔なので、もっと大きく立派なものに造り替えるのだそうです。ところで、この「玄関」という語は本来、仏教に由来していることをご存知でしょうか。
 昔、インド仏教の禅が中国へ伝えられた時、中国人は道教の教えに照らして、禅を玄と訳しました。したがって「玄」はすなわち「禅」であり、それは心を落ちつけ、迷いを断ち、真実の理法を体得することを指しています。また、玄関の「関」は関所の「関」です。
 そういつたことから、「玄関」はそのはじめ、禅寺にだけ作られていたのですが、恰好がよいので、一般でも真似をして造るようになったのでしょう。
 とにかく、玄関にはこのように「お悟りに至る関所」という意味があるのですから、その玄関の内側に住む人は、それにふさわしい心の持ち主でなければなりません。家庭内暴力などは、とんでもないことですね。家庭は社会の最小単位といわれます。
 お釈迦さまは、「家庭は心と心が最も近く触れあって住むところであるから、睦みあえば花園のように美しい。しかし、もし心と心の調和を失うと、激しい波風を起こして破滅をもたらす」とおっしやいました。もし家庭に不和が生じたら、他の家族のせいにしないで、自分を見つめなおしてみましょう。各々が心を落ちつけて迷いを断ち、真実の理法に照らして生活すれば、おのずと理想的な家庭が構成されるというものです。
 親子、夫婦が仲良く暮らし、心の平和を第一にして、本来の「玄関」の内側に住むにふさわしい状態を保ち続けましょう。

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