懴悔さんげ

2025/02/07

 「懺悔・さんげ」という言葉はどなたでもご存知でしょう。自らの行いや考えの 至らなさを悔い改め、これからの行動に活かすことですね。この「懺悔」は生相の仏教語であり、仏教では「さんげ」と読みます。
 懺悔の語源はインド語の「サンマ」であり、これを漢字に音写して「懺摩」と書き、意訳すれば「仲過」となります。次に懺摩の「懺」と悔過の「悔」を 合わせると「懺悔」という語が出来上がるというわけです。
 懴摩でも悔過でも懺悔でも、過ちを悔い改め、その赦しを請うことに変わりありません。ところで、本来の懺悔とはどのようなものだったのでしょうか。原始仏教では、半月毎に教団の反省会が開かれ、比丘たちは、自分の犯した罪をお釈迦さまや長老に告白してその裁きを受けることになっていました。それが大乗仏教になると、自分の罪を認めて仏前で懺悔文を唱えることによって仏に受理され、罪から解放されるという形のものに変わってきたのです。
 今日でもよく行なわれ、皆さまの目にも触れやすい法会に観音懺法というものがあります。これは中国の宋の時代に慈雲大師遵式によって大成された一つの懺悔の形式で、観音さまの前で罪を悔い、自分を清らかにしてもらおうというものです。
 私たちは意識・無意識にかかわらず多くの罪を負っていますので、仏教の伝統に従った懺悔を行うことを大切にいたしましょう。修証義に「前仏懺悔の功徳力我を拯いて清浄ならしむ」とあります。懺悔によつて心を洗い、サッパリすることが自分を清らかにするのです。
 あまりに自我が強すぎて意地張りの人は、「ごめんなさい」が言えなくてさみしい思いをします。本来の意味での懺悔の気持ちを起して、「ごめんなさい」と言える勇気をもちたいものですね。

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