富士、富士宮、納骨堂と永代供養塔「寄り添う」

2020/10/28

前回「共生」という話をしましたが、東日本大震災から1年近く経過した頃、ダライ・ラマ法王14世が被災した沿岸部をお見舞いに来られました。その折、法王はAさんの菩提寺にもお参りすることにもなりました。その当時は、見慣れた街並みは一変し、Aさんの菩提寺も、地震と大津波で被災し、本堂の中も天井近くまで海水が押し寄せ、やっと瓦礫を片付けたばかりだったそうです。法王をどのようにお出迎えをするか、皆で悩んだそうです。

そこで津波にも流されず本堂の梁に掛けてあった大きな赤い傘だけは残ったそうです。それは住職の晋山式(お寺の住職となるための儀式)の折に使った赤の妻折傘ですが、それを差してお出迎えすることになりました。到着された当日は、地元の人びとが大勢集まり、多くの子ども達も、本堂まで道の両側に一緒に並んでのお出迎えでした。

Aさんも大きな傘をさしてお出迎えします。法王が車からお降りになられると、子供達も笑顔で手を振りながら、お供の方に「ここにいる子ども達の中に、此度の津波で、親を亡くされた子はいますか」と問われ、数名いることを知らされると、「その子の前を通るときには教えて下さい」とおっしゃられ、本堂まで、歩を進められました。Aさんも傘を差しながら、付かず離れず後に続きました。

途中で法王が、あるの子の前で立ち止まり、腰をかがめ、その子と同じ目線になり、その子を両手でギュッと抱きしめられました。そして耳元でお言葉を掛けられました。内容は解りませんが、その子は自分だけそうして戴いて嬉しくてたまらなくなったようです。その場面に居あわせた人びとはみんな声を上げて泣いたそうです。Aさんも涙がとまらなかったとのこと。これが本当の「共生」であり「ともに寄り添う」ことの見本ではないでしょうか。

当山、彌勒の丘・納骨堂・永代供養塔では共に寄り添うことを目標に日々精進しております。是非お立ち寄りください。

 

 

 

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