恩に報いる

2021/06/11

日本の四季の中で春ほど多くの人々、存在から待ち望まれている季節はないのではないでしょうか?今は梅雨で鬱陶しいですがね。
桜やチューリップ、色鮮やかな花が季節を彩り、新しい芽吹き・新緑に新しい生命力・エネルギーが満ち溢れます。
なぜ、これほどまでに春の訪れを望み、歓ぶのでしょうか?
それは厳しい冬の季節があればこそ、春の訪れが歓びとなるのです。
もし仮に、季節が夏から春へと移行するのであれば、春の訪れが今ほどの歓びとはならないでしょう。
改めてこの事実を知るに当たり、時の運行や厳しい冬に対して感謝する人の少なさに我々人間の至らなさを痛感いたします。
積み重ねていく月日の流れや季節の移り変わりに妙法・宇宙の真理や、久遠の本佛・みほとけの計らいを感じ、手を合わせる。
お題目をお唱えする我々は一般の方々が気付かない「おかげさま」に目を向け感謝につなげていく。
これが信仰だと教わっています。
目に見えぬ「おかげさま」はその大きさが大きければ大きいほど当たり前となり、その恩恵・恩に気付けないものです。
踏みしめている大地。空や空気。太陽や時の運行。一秒として休まず繰り返される呼吸と心臓の働き。産み育ててくれた父や母。出会うことがなかったご先祖さまからの命の営み。
想像もつかない無限の偶然と必然によって頂いている自分自身の存在・生命。
例外なく、すべての存在・出来ごとの背景には目に見えぬ「おかげさま」の働きがあります。仏教ではこれらのことを「恩」と表現し、「知恩報恩」恩を知り、恩に報いるのが信仰の第一歩だとお伝えしています。
この「おかげさま」「恩」をどれだけ感じることが出来るのか?
その力量が人格・知性の器を決めているのです。
すべての事柄に感謝する。
感謝出来ぬことに感謝をしていく。
信仰・ご修行とはそのような日々の積み重ねなのですね。

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