一所懸命

2018/11/01

 映画のフイルムには一コマ一コマそれぞれ少しづつ違った情景が写されております。
しかしそれを一秒間二十四コマのスピードでまわすと、それぞれ異なった情景が抜き差しならない一つのまとまった動きのように眼に映るのであります。
 時の流れもこれと同じように、決して一本調子で流れているものではなく、時々刻々変わっているのです。
私どもは便宜上、過去・現在・未来と分けておりますが、過去は過ぎ去ってすでになく、未来はまだ到達しておりません。
 あるものは現在の一瞬だけなのです。
この現在の一瞬が映画のフイルムの一コマ一コマのように生滅しながらつながっているのですが、私たちの眼にはゆるやかな変化としてしか映らないのです。
 人生はまことに無常迅速で、命は草葉に宿る露よりももろいのです。
 したがって人生をまともに見つめる人は、人生のはかなさ、たよりなさに苦しみ悩むことでありましょう。
 お釈迦様はじめ、高僧名僧がたが宗教を起こし、出家したのはみな無常観がもとであるといっても過言ではありません。
 私どもはもっともっと異迫感をもって、今日只今のもっとも確実な一瞬を充実すべきであります。
時はいま 処足もと そのことに打ち込む命 永遠の み命
 現在只今の一瞬に一所懸命に打ち込んでゆけば、それは永遠に尽きることのない仏の御いのちに通うものであります。

 

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