千眼さま

2022/12/26

富士山のすぐ近くに住んでいた南條氏の母尼にお出しになられたお手紙によると、法華経を信受する人を「いかでか天照太神・八幡大菩薩・富士千眼大菩薩すてさせ給ふべきとたのもしき事なり」と記されています。天照・八幡と共に法華経行者守護神として富士千眼大菩薩を列記してありますが、この「富士千眼」というのは「富士山本宮浅間大社」の浅間を音写して「千眼」としたものと考えられます。

常に四方を見おろして大空に聳える霊峰は、まさしく天照・八幡の大菩薩と共に「日本第一の法華経の行者」を守護する千眼大菩薩としての尊い存在でありました。この「千眼」という表現には単なる音写ではなく、聖人の深いお考えがこめられていたと思います。

日本で一番高く、あらゆるものを見通している霊山としての存在であり、山頂は雲の上にあって、雷さまを下にきき、日天・月天に最も近く、白雪をまとった雄姿は神々しい霊峰として、古来多くの人々により尊崇されてきているのも当然なことと思います。

この霊山の麓で朝夕富士の尊くおごそかなお姿を拝していた南條氏の一族にしてみると、数多い守護の諸天善神の中の一神として、最も身近に感じていたものと考えられます。見おろしている千眼大菩薩に恥じない生き方をしようと誓ったことでしょう。

 

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