焼 香

2018/11/05

 焼香は心と身体の穢れを取り除き、清浄な心でお参りする時の作法です。 ところで、焼香の作法は実にまちまちで、よく聞かれる事柄であります。
 まず、座礼の場合、自分の順番が来たら、次席の人に「お先に」というように軽く会釈してから祭垣に歩み寄り、祭壇の三歩ほど手前で座って遺族と僧侶に一礼して座布団に正座します。 祭壇の正面の遺影と位牌を見て一礼してから、数珠を持参したなら両手に掛けて合掌します。
 焼香作法ですが、左手に数珠を掛けて右手で焼香をします。回数は、焼香を三回するという場合、仏・法・僧の三宝に捧げるという説、又は、三毒の煩悩(貪り、いかり、愚痴)を一つずつなくすという説があります。 まず一つまみの香を右手に軽くおしいただいて焚き、次に香をおしいただかないで焚きます。
 初めに焚く香を主香、次に焚く香を従香といいます。左手はいつも右手を軽くささえて、つまり両手で香を焚く格好になります。大勢の会葬者、弔問者がいる時は一回でも構いません。大切なことは、心身をととのえ、一切の雑念ををはらって心から合掌礼拝することです。その焼香の煙と香りはすぺてにゆきわたって、その 部屋もお参りする人の心も皆清浄に清めて、み仏の御徳が無眼に広がって、一切に及びます。
 線香は普通一本です。丁寧に線香を立てる時には、まず左に一本、次に右に一本、そして最後の一本をに押しいただいて真ん中に立てます。都合三本となります。
 線香に火をつける時の心得としては、線香をつけたら、口で消さないで必ず手であおいで消すことです。それは、生臭を日頃食べている人間が、そのなまぐさな口臭をかけないということにあります。
 焼香が終わったら、祭壇に一礼して座布団より下りて三歩ほど下がり僧侶・遺族に目礼して自分の席に戻ります。注意すべきは前記のように仏前の座布団に座ったままで、遺族と僧侶に一礼しないことです。 又、座布団をよけて座す作法もありますが前記事項に気をつければ通常はその必要はないでしょう。
 以上が座礼の焼香作法ですが、立ち焼香の場含も座布団に座る作法以外は同様です。

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