冥加みょうが

2023/06/30

「みようが」と聞くと何が思い浮かぶでしょうか。
「酢の物や天ぷらにすると美味しいですよね。でも食べ過ぎると物忘れをするから、たくさん食べないようにしていますと答える方もいるでしょう。「茗荷」は、お釈迦様のお弟子で物忘れのひどい周利槃特が亡くなった後、そのお墓から生えたと伝えられていて、そのせいで食べると記憶力が悪くなるとのエピソードが生まれたようです。でも「みょうが」には「冥加」という漢字を当てることもあります。こちらはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、「知らず知らずのうちに神仏の加護をこうむること。目に見えぬ神仏の助力。冥利。」と辞書にあります。「冥」は「暗い、目に見えない」という意味があり、目に見えないご加護を冥加と言います。
私たちが唱える「開経偈」の中にも「無量の功徳、皆この経に集まれり。この故に自在に、冥に薫じ密に益す」とありますが、「(法華経により)目に見えない力で善に導かれ、知らず知らずのうちにご利益があたえられます」という意味です。
Aさんは高齢の一人暮らしの女性です。このたび長年の痛みに耐えかねて関節の手術をすることになりました。全身麻酔をする大手術です。麻酔から覚めなかったらどうしょうと心配しながら手術を受けました。長い手術を終えて気がついたら、枕元に心配そうな表情をしている娘の顔が見えました。「ああ、私は生きているんだ」と実感しました。手術は無事に成功です。その翌朝、もうはるか昔に亡くなった両親の夢を見ました。両親は「もう大丈夫。帰るからね」と言い残して背中を向けて去って行ったそうです。亡き父母も手術の間、私をずっと見守っていてくれたのだと思い涙がこぼれたそうです。両親のお位牌を祀っているお仏壇の前でうかがったお話です。

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