色と欲

2023/12/24

皆さまは、「色」というとまず何を連想されるでしょうい。英語でいうカラーとか、セクシュアルを連想された方が多いのではないでしょうか。「色」には文字通り色色な意味がありまして、ただ色と言われただけでは判断に困る時がありますね。
しかし、仏教本来の色の定義である「形を有し、生成し変化する物質現象」を知っていれば、「色」と表現されるものが数多いことも納得できるでしよう。
また、花の美しい色を生物学的にながめれば、セクシュアルとカラーも結びつきますね。「思い内にあれば色外にあらわる」という句もあります。とにかく色は、この生物界の大切な要素といえましょう。色の無いところはつまらないとばかり、どっぷり色にっかっている人もいますが、本当の色界は「よごれを離れ、物質的なものがすべて清らかな世界」をいうのであり、色に色色迷う私たちの世界は、色界の下の欲界といわれるところです。
欲界とは、本能的欲望が盛んすぎる人間界のことですね。欲には、財欲、食欲、性欲、名誉欲、睡眠欲の五欲がありますが、人間に特徴的なお金を欲しがる心=財欲によって代表されるでしょう。欲があるということは、生きている証拠でもありますが、気をつけて付き合わなければならない代物です。欲張って失敗した話はたくさんありますね。
仏さまは、五欲におぼれて悪道に堕ちている私たちを救おうと、常に手をさしのべておられます。それにしても、人間は懲りない面々です。
四方赤良の狂歌
世の中は色と金とが敵なりどうぞ敵にめぐりあいたいは、私たち人間の気持ちをよく表現しているとは思いませんか。欲界をすぎ、色界をすぎ、無色界もすぎて悟りに至ることこそ、真の欲張りのとる道だそうであります。

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