あそぶ

2024/05/24

大分むかしですが某新聞に、佐渡真楽寺・三浦良広住職の記事がありました。お堂を歩き回る「饒堂回峰行」を行われたとのことです。今、佐渡新四国八十八ケ寺めぐりが脚光を浴びていますが、三甫師は、「観光はもともと観音様の光を観ること」として、観光への協力を惜しまないそうです。
 さて「光を観ること」が観光だとして、その「光」とは何でしょうか。「光」には光度・彩り・艷・誉れ・恵み・勢い・文物の美・景色・時間など、たくさんの意味があるんですね。もちろん、そのすべてを含んでいるとも言えましょう。仏教的によく使われるのは「無明」に対する「光」で、智慧のことを指します。仏さまの光は計り知れなく、特に阿弥陀さまの光は自在で、それこ券るものは無いと言われます。いや、もちろん観音さまだって負けてはいません。仏様のお堂を歩き回って仏の光に照らされ、その光を戴いて、さらに他の人を 明るくしてあげましょう。ところで、歩き回ることを「遊歩」(現国ではユウホ)と言つてきました。また「遊覧」と言えば、あたりを眺め歩くことです。昔の修行僧は衆生教化と自己修養のため、諸地方を遊歩し遊覧することを常にいたしました。本来の「観光」を、歩きながらしたというわけです。今日の観光や遊覧の中には、神 社仏閣めぐりが外されているものもありますが、それでは本当の観光や遊覧とは言えないでしょう。「観」や「遊」(呉音ではユ)には、宗教的な深い意味が含まれております。一般化されないことで、まだ本来の意味を保持している言葉、「遊行」から受けるイメージで、遊覧・遊歩・観光の意味を推し量っていただければ、納得 できるのではないでしょうか。本来の観光や遊覧・遊歩をしたいと思います。

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