お作法は大切

2024/07/12

行儀作法
 これらの語は「行儀作法」と、一つの熟語として用いられることも多いようでが、「行儀」とは、仏事をどのようなやり方で行なうかという法会や修法の方式をいいます。仏教の教えそのものを教相というのに対して、行ないをどうするかということだと言えましょう。中国浄土教の大成者善導大師に、この行儀に関する注解書『行儀分』が残されていることもご紹介しておきます。
 一方「作法」は、立ち居振る舞いをする時、行住坐臥や儀式などで守るべきネ法をレいます。具体的にいえば、坐法、臥法、食法など毎日の行ないの貫習のことですね。道元禅師は「作法是宗旨」ということを強調されましたが、これは毎日の行ないを正しくし、日々の生活を真面目に過ごすのが、仏教の実践であるということです。
 この「行儀」や「作法」は、早い時代から庶民生活の中にもとり入れられ、一定の礼法を生み出してまいりました。そして良家の子女はお行儀が悪いと叱 られ、立居振舞が作法にかなうよう注意されながら教育されてきたわけです。しかし今日の社会では、どうやらこの行儀作法がどこかへ飛んで行ってしまつ たようですね。お客様がいらしたのに、つつ立ったままで挨拶することを知らない子供たち、戸の開け閉めや歩き方が乱暴な子供たち、いや、大人といわれ る人たちでさえ、傍若無人に振舞っている成人がどんどん増えています。
 われ先に利に走り、人を蹴落とすことで自分を優位にしようとする風潮は、受験地獄の産物か交通戦争の影響か、まったく困ってしまったことと言う他ありません。住み良い社会を作るためには、「行儀作法」という言葉を化石 化させてはいけません。古めかしくて現代に合わないように見えても、大切なものは大切です。行儀作法は良い人間関係を作る上でも、欠かせないものと言えましょう。

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