2024/08/30
高い山に登って下を見おろすと気分が良いですね。下界のあんな狭い所で あれこれ思惑して暮していたのかと思うと、何かモヤモヤしたものが吹き飛んでゆくようです。
仏教では、私達が住んでいるこの世界を「下界」とか「欲界」と言い、そこで暮す私達の思いを「思惑」と称しています。思惑とは(人が生まれつき持つ ている煩悩で、いろんな事(事象)に迷うこころ)のことです。 人生を明るくスッキリ暮すためには、修行によってこの「思惑」を打ち消さなければなりません。そういう意味で、この思惑を「修惑」ともいうのです。
思惑(修惑)を数えると八十一種もあるそうですが、そんな数などどうでもよいですね。塵垢の種類を数えるよりも掃除をすることの方が賢明なように、思惑を断ずる方策をまず考えてみましょう。仏の十戒を守れば、思惑は消えてゆきます。
①不殺生 ②不偸盗 ③不邪淫 ④不妄語 ⑤不飲酒 ⑥不塗飾香鬟
②不歌舞観聴⑧不坐高広牀⑨不非時食 ⑩不蓄金銀宝
これが仏の十戒ですが、この数え挙げ方は、経典によって多少異りますので 注意してください。この十戒の各々の内容は、ご存知のとおりです。
次に、「思惑」の種類も少しは知っておいた方が断じやすくなりますので、 代表的なものを挙げてみましょう。
まず四大煩悩とも呼ばれる貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)・慢(まん)(または無明)が挙げられます。「貪」とは物欲しがる心、「瞋」とは怒りの心、「痴」とは道理を知らないで愚痴る心、「慢」はおごり高ぶる心ですね。この四大煩悩を展開すると九つになり、これを「欲界九品の惑」と申します。更にこれを九地にあてはめると九の 九倍で八十一種となるわけですね。「九地」とは私たちの住む下界(欲界)の ほかに色界と無色界を加え、これを分けて九地とするのだそうですが、ここで 詳しく説明する余裕はありません。とにかく思惑の元である四大煩悩に気をつけ、十戒を守ってみることにいたしましょう。
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