住職ブログ｜先祖供養、水子供養、墓地、納骨堂をお探しなら宗教法人法典寺【各種祈祷、祈願も承ります】

2024/09/06

皆さまは、日頃どんな人と交際をなさってますか。どんな人と年賀状の交換をなさっておられますか。アドレスブックには、どんな人の名前が並んでいるのでしょうか。
　私たちの社会は、大きく血縁社会と地縁社会に分類できます。社会の最小単 位は家庭ですが、そこから親戚とかご近所さんへと付き合いは広がってゆきます。血縁(親戚)とは、先祖または子孫を経由して血で繋がる関係であり、これは所の遠近にかかわらずお付き合いをするでしょう。一方、住所が同じとか職場が同じとか、学校が同じとか・・・共に同じ所で時を過ごす(過ごした) 者同士は、他人でもお付き合いをいたします。これが地縁社会ですね。
　血縁社会と地縁社会が合成された範囲で、私たちは付き合いを展開していると申せましょう。
「縁」という言葉が仏教語であることは今さら説明するまでもないでしょう。お互い、縁を大切にして良い付き合いを続けてゆきたいものです。
　ところで、「結縁」という言葉はご存知でしょうか。「結」と「縁」を逆にして「縁結び」という言葉もありますね。結縁とは因縁を結ぶことで、仏さまと私たち衆生がゆかりを結ぶことを指します。仏・菩薩の方から結ぶこともあれば、衆生の方から結ぶこともあります。衆生を救わんとする仏さまと、仏道修行をしようとする私たちが一つに結ばれた時、未来の成仏が約束されるというわけです。昔の人は写経をしたり、法会を営んだりすることで 結縁を感じてきました。
　この結縁が一般化し、誰かと親戚になることも結縁と言い、そのようになりたいと作用することを縁を結ぶと言うようになりました。そこから、神社仏閣の格子戸に、恋しい人の名前と年齢を書いた紙を結んでおくと、結縁が叶うという俗信も生まれました。血縁や地縁を大切にすることも当然ですが、仏さまとの縁を結ぶという本来の結縁、縁結びを大切にしたいものですね。 仏さまとのご縁こそ本当の良縁です。