2024/11/08
人に頼みごとをする時、「後生だからそうして下さい」などと言ったり、「後生願いを良くしろ」と人に言われたり、その他「後生大事にする」という 言葉も耳にします。この「後生」とは一体何なのでしょうか。
私たちが生まれてから死ぬまでを一生と言い、これは今の生だから「今生」と言います。では、私たちが生まれてくる前は、どこで何をしていたのでしょう。そして死んだ後は、どこで何をすることになるのでしょう。仏教では因縁による輪廻転生を説き、この世の外に過去の世と未来の世があると教えます。過去の世を前世といい、そこで過ごした一生が前の、生、「前生」です。それに対して、未来の世を来世とか後世とか言い、そこで過ごすであろ う一生を「後生」と言います。
これでお分かりになったでしょう。前生、今生、後生の三つは一組であり、お互いに因果関係をもつて私たちの次の生を決定づけてゆきます。前生は過ぎてしまったことで、いかんともできませんが、今生と後生なら、まだなんとか 出来ます。残された人生をより良く生きたいものでありますし、後生なら、なおさら良いところで良いことをしたいもの です。
「後生大事」とは、次の世の安楽を願うことですから、とても大切にするということと同義です。後生を良くするためには、今生のうちにその種をまいておかなければなりません。後生だから人の困った時は助けてあげましょう。また、後生願いをよくして毎日毎日善い事を積み重ね、あの世へもちこむ好因縁 を多くしておきたいものです。
修証義の中に「三世を知らず、善悪を弁まえざる邪見の党侶には群すべからず」とありますが、お互い、悪因を作って後生に悪報を得ることのないよう、精進したいものです。
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